電動車いすで飛行機を利用して北海道へ (当日はちょっとしたトラブルも)

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はじめに

前回の記事では電動車いすで航空機を利用するにあたっての事前準備について書きました。

初めてな上に飛行機に乗る前の事前の準備だけで新幹線よりもすることが多く、色々と戸惑うことばかりでした。それでも思っていたよりも手続き自体はややこしいものではなく、初めてでも手続きを行うことができました。今回は実際に航空機を利用した際に起きた出来事や感じたことについて書いていこうと思います。

出発の1時間前に空港カウンターへ

車いす利用者が飛行機を利用する時には、貨物室に車いすを預ける必要があります。そのため国内線の場合は1時間前までに出発する空港に到着していることが勧められています。手動車いすと比べて電動車いすではバッテリーの種類の確認等で時間がかかることがあるので、余裕を持って到着する方が無難です。

空港でのお手続き時間の目安
出発当日は、お早めに空港にお越しください。
電動車いすや折り畳みができない車いすのお預けがある場合には、カウンターで目視確認をさせていただく場合があります。
日本国内線
出発時刻60分前
国際線
出発時刻120分前

平日の朝の伊丹空港はビジネスマンで混雑していました。現在空港ターミナルビルの改修工事で通路が狭く、余計に移動しづらくなっていました。南ターミナル 1階のサポートカウンターで搭乗手続きを行いました。
事前にメーカーのホームページで電動車いすで航空機利用時の説明書をプリントアウトして持参していたので、バッテリーの種類や手動での操作方法の確認はスムーズにできました。預け入れる電動車いすはその場で梱包されるので、「ここをこうして」「この部品は壊れやすいので取扱いに注意して」と係員に伝えてもらうことを教えました。

初めてのリクライニング式の機内用車いすはやはり小さかった

カウンターで電動車いすを預けた後は、空港が用意した車いすに乗り換える必要があります。身長180cmの私の身体では小さく、搭乗するまでの間が毎回大変です。今回は事前の電話で「リクライニングタイプもある」ことを知り、リクライニングタイプを使用するよう希望していました。
しかし、やってきたリクライニング車いすはアームレストが無く、もちろん私の身体には小さくて足が横に流れてしまいます。そのため座位が取りづらく横倒れの危険性があったので、電動車いすの胸ベルトで上半身を固定することにしました。同行者がトイレに行ったりして一人になった時は横倒しないか不安で「通常の車いすの車いすの方が良かったな」と後悔しました。
搭乗時は事前改札で一番最初に機内に案内されます。以前の車いすは搭乗口の前でもう一回り小さい機内用の車いすに乗り換える必要がありました。しかし、現在ではリクライニング式でもタイヤを外せばそのまま機内まで入ることができるように変わっていました。機内の通路は狭く、座席に腕や足が巻き込まれないように注意しながら自分の座席まで移動しました。
電車とは違い飛行機では車いすから座席に移る必要があります。今回は同行者が一人だけだったので車いすから飛行機の座席への移動を手伝ってもらいました。座席へ移ったらシートベルトを締め、事前に予約しておいた胸ベルトで上半身を固定し準備が完了。これで離着陸時に揺れても前に倒れる心配が無くなり、後は出発を待つだけです。

新千歳に到着し、電動車いすが返却されました。

ほぼ定刻通りに新千歳に到着し、ほかの乗客は降りた後に車いすに乗り換え飛行機を降りました。手荷物受取場に着いた頃にはすでに電動車いすが返却されました。パッと見たところ特に異常はなさそうです。ブレーカーを入れて車いすの電源をつけるとちゃんと動いたので一安心。ただ手元のモニターの角度が横向きに変わっていました。恐らく通常のモニターの角度だと車体より横に少しはみ出してしまうから角度を変えたのでしょう。工具なしでも角度は変えられる個所だったので問題はありませんが、見やすい位置にモニターを合わせる手間が増えました。電動車いすは重度身体障害者にとっては身体の一部でもあり精密機器の塊でもあります。一つの部品が傷んでしまうだけで操作自体ができなくなる恐れもあるので気をつけてもらいたいですね。

帰りはバッテリーの確認に手間取る

札幌での三日間が終わり、新千歳空港から伊丹へと帰りました。お土産を購入して 1時間半ほど前にチェックインカウンターへと向かいました。帰りの飛行機では電動車いすの知り合いと同じ便だったのでちょっと安心。
行きの伊丹空港では比較的スムーズに手続きが済みましたが、新千歳空港で電動車いすを預けようとすると、バッテリー種類の確認で時間がかかりました。あらかじめ航空会社にはチェックシートで送っていて、メーカーのホームページからもバッテリーの絶縁方法のプリントを印刷していたのですが、カバーを外さないとバッテリー時代を確認できないのでメーカーのホームページで問題のないことが確認できてからようやく手続きが終了しました。
機内用の車いすに乗り換えるのですが、リクライニングタイプは一台しかないため、今回は通常のタイプの車いすに乗りました。どちらにしても私の身体には小さいのですが、通常の車いすは手すりが付いているので座っていて楽でした。タイミングが悪いことに介助者がトイレに行っている間に機内への案内が来てしまい、「介助者がトイレに行っていてチケットもない」ことを伝え待ってもらいましたが、こういう時に限ってなかなか帰ってこない…。車いすの私が乗らなければ他の人が乗れないので焦りました。ようやく介助者が戻ってきたので慌てて乗り込みました。

返却された車いすの様子がちょっとおかしかった

行きの飛行機よりも混んでいるうえに電動車いすが 2台あったからか、貨物の積み込みに時間がかかってしまい 20分くらい遅れて出発しました。外はもう夕暮れでしばらくすると真っ暗に。正面のモニターで野球中継を眺めながら伊丹近くまで来たものの、今度は到着便の混雑で京都 →大阪 →奈良あたりを何度も旋回してようやく伊丹に着陸しました。
一番最後に飛行機を降りて荷物受取場に向かうと電動車いすも戻っていました。自分の車いすを見て「おや?」と違和感を感じました。よく見ると手元のコントローラーが曲がっているではないですか!恐らく積み込みの時に無理に載せたのでしょう。手元のコントローラーは自分では使用しませんが、車体幅を確認したりするのに目印にしているので歪んでしまうと操作がしづらかったです。「ひょっとして土台のプレートを交換しないといけないかな?」と思いましたが、確認してみたところプレートには問題がなかったのでネジを締め直すだけで元に戻りました。
到着ロビーを出たときには既に最終のリムジンバスが出た後で、介助者には電車で帰ってもらうことに。私ももちろん電車移動で 2時間弱かかって自宅に戻りました。

飛行機は便利な移動手段!でももう少し改善してほしいかも

今回初めて電動車いすで飛行機を使用し、北海道へ行くことができました。大きなトラブルもなく、無事帰ってくることができてほっとしています。
他の交通機関に比べると飛行機は短時間で目的地まで移動することができるメリットがあります。しかし、事前の手続きがややくしかったり、飛行機に乗るのに車いすを預けける必要があったりと他の交通機関と比べて利用のハードルはまだまだ高いです。
特に電動車いすの場合は車いすのサイズによっては利用できる機材が限られるという問題もあります。電車や路線バスのように機内に固定できれば楽だな」思っていたら昨年のYahoo!ニュースにこんな記事が載っていました。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20181007-00099647/

これから高齢化はますます進みますし、労働人口も減少していく中で「車いすのまま飛行機に乗れる」ことが実現すると利用者、事業者双方にとって良いことだと思います。個人的に是非実現してほしい案件です。

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