スマートリモコンと環境制御装置の比較

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頸髄損傷などで手足の不自由な人にとって日常生活で困ることの一つに「家電製品の操作」があります。何もない場合はテレビや照明をつけるだけにいちいち誰かにかなわないといけません。そんな不便を解消する福祉機器として環境制御装置というものがあり、私もかれこれ10年以上利用しています。
最近になって日本でもアマゾンやGoogleがスマートスピーカーを発売するようになり、それに対応したスマートリモコンも多くの種類が発売されています。この新型スピーカーの特徴として「音声で物事を操作すること」が挙げられます。私は「これは手足が不自由な人にも使えるのでは」と発売当初から注目していて、4カ月ほど前にGoogle home miniとスマート家電コントローラー(RS-WFIREX3) を購入し、いくつかの家電を操作しています。
そこで今回はスマートリモコンと従来の環境制御装置を比較し、それぞれのメリット・デメリットについて書いていきます。

私が今まで使用していた環境制御装置

私が在宅生活を始めてしばらくしてから今まで使用していた環境制御装置は「みてら」です。病院から自宅に戻った時にたまたまある財団が「みてら」 の貸与を募集していて、募集に当選したので使うようになりました。
当時発売されていた環境制御装置(ECS) は登録できるリモコン信号の数が多くても50 ~100 だったのに対し、 「みてら」 は登録できる信号は1000以上と圧倒的に高性能な機器でした。その分価格は70万以上と高額で自前で購入するには手が届きにくいものでした。

登録できる家電の数は多いのですが、実際に登録したのは照明、エアコンとラジカセにとどまりました。なぜ登録した数が少なかったというと「使用する部屋にある家電の数が少なかった」ということが挙げられます。私が生活をベッド上で過ごすのであれば寝室にテレビなど家電製品を置いていたのでしょうが、実際には車いす上での生活がメーンだったのでたくさんのリモコン信号を登録する必要性を感じませんでした。
また家電によってはプリセットされていない信号があり、その場合は業者を呼んで設定してもらうのですが、担当する人が不慣れでラジカセの設定に何日もかかったことがあって、「面倒くさいからあまり登録しなくてもいいや」と思うようになってしまいました。

購入したスマートリモコンで登録した家電製品

9月に購入したスマート家電コントローラーはリモコンの登録が簡単で、とりあえず環境制御装置で登録していたラジカセと照明に加えてテレビを登録しています。またそろそろエアコンを設定しようかと思っています。
そのうち音声で操作できるように設定しているのは、現在のところ照明とテレビのみです。ラジカセはまだ登録していませんが、google home miniでradikoが利用できるのでそれほど問題はありません。

スマート家電コントローラーの場合、スマートスピーカーで操作できる家電の種類や数に制限があり 、google home の場合はエアコン、照明、テレビ、は対象になります。
その他の家電を操作する場合は照明のボタンに信号を登録することによって可能になるそうですが、設定が面倒臭くまだ行っていません。もっと登録できる製品の幅が広がればより便利になるので改善してもらいたいです。

スマートリモコンのメリット

リモコンの設定が楽

環境制御装置(ECS )と比べると家電製品の決定はとても楽です。自分のスマホにアプリを入れて、アプリの案内に従うだけで初期設定は完了。家電製品のリモコン信号の登録についてもあらかじめプリセットされている製品の数が多いので、だいたいが使用している製品の型番を選択するだけで済みます。.
もし登録して信号がなかった場合は手動での設定になり、一つずつボタンを登録する必要があるので少し面倒臭いです。

製品の種類が多く安価

これが今までとの大きな違いかもしれません。一般的に福祉機器は市場規模が小さいので製品の種類も少ないうえに高価です。環境制御専用機で登録チャンネル数が20くらいのものでも20万くらい、高機能な物になると50万以上します。自治体の補助を申請すれば一部支給されますが半分にも満たないです。
スマートリモコンだと製品の種類もたくさんあり、高機能なものであっても1万円強で販売されています。安価で入手できるので、もし自分に合わなかった場合でも別の製品へ移行しやすいです。

スマートリモコンのデメリット

電動ベッドを操作できない

環境制御装置で使えてスマートリモコンで使えるものの代表的なものに電動ベッドがあります。 私は痙性があるので一人でいるときにベッドを操作するのは危険なので電動ベッドを接続していませんが、電動ベッドを自分で操作している人にとっては大きな問題になってきます。使用するボタンを物理的に押してくれるロボットスイッチを接続する方法もありますが、ボタンの数だけ必要です。

インターネットがつながっていないと何もできない

スマートリモコンもスマートスピーカーもWIFIを利用した製品なのでインターネットに接続していることが利用する時の条件になります。そのためWIFIにつながらないと何もできないただの物体になってしまいます。

声で家電を操作できるのはとても便利だ

今まで家電製品を操作する場合、環境制御装置(ECS) を呼気スイッチを利用してました。しかし横を向いたりすると呼気スイッチに届かなくなって家電製品の操作ができなくなってしまう事がよくありました。また呼気スイッチの位置に身体を合わせてもらう必要がありました。
スマートスピーカーであれば体の向きが横を向いていても認識してもらえます。誰かにいちいちスイッチの位置を合わせなくても良くなったのは気分的にもとても楽です。
まだまだ使いこなせてはいませんが、もっといろいろなカスタマイズをしてより便利な生活を送れるよう頑張ります。

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