私が電動車いす(ペルモピール・F3)を使用してから、もうすぐ1年半近くがたちます。初めての電動車いすで、しかも後輪駆動ではなく前輪駆動の車いす。リハビリ病院でも前輪駆動の車いすを使ったことはなく、操作するのに慣れるまで少し時間がかかり苦労しました。それでも1年半たった今ではそれなりにのりこなせるようになり、長時間の外出も問題なくできるようになりました。最近は街中で電動車いすに乗っている人をよく見るようになりましたが、前輪駆動の車いすを使用している人はまだ少なく、「 前輪駆動ってどんな感じ?」と聞かれることも多いです。そこで今回は前輪駆動の電動車いす(ペルモピール・F3)を1年半使用してみた感想を書いてみようと思います。
使用している電動車いすの種類と仕様
私の使用している電動車いすは、スウェーデンの電動車いすメーカー「ペルモピール社」のF3です。F3はFシリーズの中でも日本に合わせたコンパクトなサイズになっているのが大きな特徴です。全長同じFシリーズの電動車いす「F5 」と比べて一回りコンパクトになっています。主な機能として電動リクライニング・ティルト(前傾も)・リフトを搭載しています。電動車いすの操作はビブマウントという肩にかけるタイプのコントローラーを使用し、あごで行っています。また介助者が車いすの操作するために、手元にもコントローラーを搭載しています。
電動車いすの操作とは関係がないですか、これ以外にもコントロールのジョイスティックを使ってスマホと接続するためのbluetoothのモジュールをオプションで付けています。このマウスのモジュールのおかげで、今までは誰かにしてもらっていたスマートホンの操作を自分で行えるようになりました。文字入力がキーボード打ちのため入力速度は遅いですが、自分で操作が行えるということばとても大きいです。
前輪駆動で感じたメリット
段差越えがとても楽
前輪駆動の車いすの大きな特徴が「前輪が大きく段差に強い」ことだと思います。 6cmくらいの段差までならスロープ無しで楽々越えることができます。 一般的な車いすは大体前輪がキャスターのため、交差点等でのちょっとした段差でもかなり衝撃があります。私はあごで車いすの操作しているので、ちょっとした衝撃でも結構こたえます。以前、電動車いすを試した時もこの衝撃が問題で電動車いすを諦めていた程です。今の車いすは前輪が大きい上にサスペンションが就いているので、走行中の衝撃はかなり軽減されています。またコントローラーをビブマウントにしているのも、本体からの振動が大分やわらげられているのだと思われます。3~4 キロメートルくらいなら特に問題なく楽に走行できます。休むことなくどんどん進むので、私と同行している介助者は少し大変でしょうが…(笑)
意外に小回りが利く
私の電動車いすはとてもごつい見た目から「家の中とか大変なんじゃない?」と思われることも多いです。確かになかなか街中でこの電動車いすを見たことがない人が多いと思いますし、そう思われても仕方がないなと思います。ところが、この車いす思った以上に小回りがきくのです。普通の車いすでは切り返しが必要な廊下のコーナーでも、一度も切り返ししないで曲がることができます。これも前輪駆動の車いすならではの特徴だと思います。(中輪駆動の車いすも小回りはききます)
前輪駆動で感じたデメリット
操作に慣れるまでが大変
前輪が駆動する車いすは小回りが利くのですが、フォークリフトのような動きをするので操作に慣れるまでが大変です。特に今まで後輪駆動の車いすを使用していた人にとっては、全く操作感覚が変わってしまうため慣れるまでが大変だと思います。 これが一番のデメリットかもしれません。パワーがあるので、万が一操作が不能になるといろいろなものを破壊しまくります(笑)。
逆に一度操作に慣れてしまうと、小回りがきいたり段差に強かったりと、とても頼もしい車いすです。
個人的にはおすすめ
いろいろとメリット・デメリットを書いてみましたが、個人的には前輪駆動の車いすはおすすめしたいです。もし「この電動車いすについてもっと知りたい」と思われるのなら、ペルモピール公式ページに詳しく書かれているので参考にしてみてください。
最近になって神戸でも同じメーカーの車いすに乗っている人を見かけることが増えてきました。それでも世間では大型の車いすはまだまだ珍しい存在でもあります。たまにバスなどで「この車いすで乗るの?」みたいな反応をされることがありますが、もっと普及すればもう少し周りの認識が変わるのかもしれませんね。
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